当番世話人あいさつ

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 このたび、第55回制癌剤適応研究会を2023年2月17日(金)に鎌倉プリンスホテル(鎌倉市)で開催する運びとなりました。本研究会は1968年発足であります。この歴史と伝統のある本会を私どもの教室でお世話させていただくことは、横浜市立大学消化器・腫瘍外科にとりまして大変光栄なことと存じます。このような大役を与えて頂きました小寺会長をはじめ、これまで本研究会を盛り上げてこられた諸先輩方に心より感謝申し上げます。

 さて、癌の集学的治療の中で制癌剤は確固たる地位を保っており、その投与経路・投与タイミング・他の制癌治療との組み合わせなどによって、より高い治療効果を求める努力が続けられてきました。また近年では標的治療薬の開発が進み、微小環境における免疫応答の研究成果として免疫チェックポイント阻害薬が登場しました。加えて癌パネル検査の導入と相俟って、より治療選択肢が複雑化しております。このような多様なエビデンスのたる治療選択肢が存在する一方で、個別の患者さんへの選択肢の提示・説明はより重要性を増しています。すなわち、医師が良いと思った治療を一方的に提示するだけではなく、個々の患者さんの人生を考えた治療選択が必要な時代だと思います。そのような状況を踏まえまして、今回のテーマは「EvidenceとNarrativeの両立を目指して」とさせて頂きました。臨床試験を踏まえた治療法はもちろんですが、少数例であっても著効例や治療に難渋した症例の報告をお待ちしております。さらにエキスパートによるエビデンスとナラティブの両方を踏まえたディスカッション形式のセッションなどを企画しております。

 鎌倉プリンスホテルがある七里ガ浜は湘南の中心地であり、会場からは眼下に広がる駿河湾と富士山の美しい眺めを堪能することができます。また近隣の江ノ島温泉は鎌倉時代以来の歴史をもつ、知る人ぞ知る名泉であります。活発な議論の合間にぜひ楽しんでいただけたらと思います。

 教室員一同、皆様にご満足いただける会にできるよう精一杯努力する所存でございます。全国より多くの先生方にご参加いただきますよう心よりお待ち申し上げます。

第55回制癌剤適応研究会
当番世話人 遠藤 格(横浜市立大学 消化器・腫瘍外科学)

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