当番委員あいさつ
私が研修医を終え、大学院へ進学した1989年頃、“Circulation” や “Circulation Research” には、日本からの論文が数多く掲載されており、とくにパッチクランプ法を用いた研究では世界をリードしていました。新しい号が出るたびに図書館へ通い、食い入るように論文を読んでいた日々を今でも鮮明に思い出します。当時の日本循環器学会や日本心電学会(現・日本不整脈心電学会)の学術集会では、不整脈の基礎研究が花盛りで、会場は白熱した議論が交わされていました。
近年、日本の基礎研究力の低下が指摘されることも少なくありません。しかし、「不整脈研究の灯を消してはならない」という強い思いのもと、2025年4月25日(金)、李 鐘國 先生(運営委員代表)が世話人となり、京都で第1回 Arrhythmia Research Forum 2025 が開催されました。全国から多くの若手医師が集い、発表、議論、交流を通じて、意義あるフォーラムになりました。「日本の不整脈研究は、まだまだ面白い。まだまだ伸びる」-そう実感できる一日でした。
そして、第2回 Arrhythmia Research Forum 2026 を、2026年10月31日(土) に大分で開催します。本フォーラムは、これから研究を始めたい方、すでに研究に取り組んでいる方、臨床と研究の両立に悩む方、すべての「若手研究者」のための場です。発表し、議論し、仲間と出会い、「研究って面白い」と思える時間を、ぜひ一緒に過ごしましょう。大分の地でお会いできることを、心より楽しみにしています。
Arrhythmia Research Forum 2026
当番委員 髙橋尚彦
(大分大学医学部循環器内科・臨床検査診断学講座)