
大会長ご挨拶

第13回の日本細胞外小胞学術集会は、2026年10月22日~10月23日にJ R東京駅に隣接するJPタワー ホール&カンファレンスにて開催いたします。
本学会はアジアパシフィックEV協会の主催するAPSEV2026と同時開催とすることで、これまでの日本におけるEV研究が基礎から応用まで先駆的な研究成果をあげて来たことを踏まえ、同時にアジアパシフィックのEV研究者が一堂に会することで、世界に向けて日本からEV研究の未来を占う強いメッセージを発信する覚悟です。そこで、合同開催のテーマは「Beyond Exosome」とさせていただきました。EVが持つ無限の可能性に焦点を当て、基礎研究から臨床応用に至るまでの最新の研究成果を共有するとともに、EV研究が直面する多くの課題についても深く掘り下げていく予定です。
本学会は、全世界で急速な発展を見せる細胞外小胞(EV)の研究動向に対応し、日本におけるEV研究の発展を目指して2014年に日本細胞外小胞学会(JSEV)として設立し、12年あまりの間、ISEVなどの世界的学術団体と連携しながらEV研究者の情報発信・共有の場を創出してまいりました。また、本学会の活動では、特定の疾患や研究領域に限定されることなく、微生物から植物、高等生物に至るまで生命の多様性におけるEVの重要性を考慮し、基礎科学から臨床応用に至るまで幅広い分野でのイノベーションの促進や基礎研究の応用を目指し、産業界からのニーズや技術革新に加え、アカデミアからの学術発信や技術的なニーズなどの双方向の意見交換、共同研究などを重視してまいりました。特に、2023年に独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)がエクソソームを含む細胞外小胞EVを利用した治療用製剤に関する報告書を発表したことを端緒に、我々もE Vの医薬応用に関する安全性と品質を確保するための研究開発や情報提供、討論を活発に行ってきました。しかしながら、EV研究はまだ歴史が浅く誤情報や間違った理解も存在してます。そのような現状を踏まえ、本学会では、日本EV研究の進展とその世界への発信、そしてその応用における品質管理への理解を深めることを目指しています。
この学会を通して、EVつまりエクソソームの枠を超越した新しい研究のシーズを皆様と見出していきたいと存じます。既に当領域でご活躍されている企業の先生方のみならず、これから新たに参入をお考えの研究者や企業の皆様のご参加もお待ち申し上げております。皆様と共に実り多き学術集会にしたいと存じますので、是非とも御協力のほどよろしくお願い申し上げます。
Asia Pacific Societies for Extracellular Vesicles 2026
第13回日本細胞外小胞学会学術集会
大会長 落谷 孝広(JSEV理事長、東京医科大学 特任教授)